【 魂の叫び!】 〜 お願いだから… 〜
1979年5月2日、ここ熊本県荒尾市大平にあるカフェレストラン[コットン]。1週間前の4月25日に僕はプロ歌手として24歳でデビューをしました。何の下積みも、何の力も、努力もしない。何の野心も、展望もなかった。ただただ出逢いと幸運が重なり、テイチクからレコードを出すことができた。1枚だけでもいい、3年ほど好きなことをして田舎に帰ればいい。そんないい加減なフラフラした気持ちだった。地元に後援会ができ、全国にファンクラブが生まれ、後に引けなくなった。中途半端で帰れなくなった。親はどんな気持ちだったろうか… 。とうとう本心を聞けなかった。歌の表現力をつけるために役者の勉強をかじり、幸運にもドラマにも出演することができた。デビューは杉田かおるさんの恋人役。その後はそうそうたる先輩役者ともお会いでき、山田洋次監督の日曜劇場の記念ドラマの最後の2人に残ったこともあった。相手役は大竹しのぶさん。そこで選ばれなかったことで僕は地に足のついた自分の人生を歩んでくることができたような気がする。たくさんの人に助けてもらったなぁ〜。応援をしていただき、いっぱいご迷惑もかけたなぁ〜。僕の知らないところでいろんな方に支えてもらってたんだなぁ〜。いい人たちと巡り会った。素晴らしいミュージシャンにサポートしてもらい育ててもらった。デビューして42年8ヶ月余。この道ひとすじでよかった。間違いなかった!
憧れ、尊敬していた先輩のミュージシャンや仲間たちが少しずつ去っていく。そんな歳になったのだ。未だ現役で元気に歌える事はなんと幸せなことか。まだ僕の歌を聴きに来てくれる人がいると言う事はなんとありがたいことか。これからは感謝と恩返しの時間だろう。コロナ禍での2年間は、もったいなく無駄なようで、いろんなことを考える時間を与えてくれ、気づかせてくれた。ありがとう!