2020年10月27日火曜日

【 傷ついた古里から〜】 〜みんなしっかり頑張っています!〜

 【 傷ついた古里から〜】 〜みんなしっかり頑張っています!〜

7月4日の九州を襲った大水害からまもなく4ヶ月を迎えようとしています。想像を遥かに超えた大雨が美しい故郷の風景と生活を一変させました。その後も続いた雨、夏の猛暑、そして1番大きいのはコロナの影響でボランティアの方々はなかなか駆けつけられないと言うことです。そんな中何ヶ月も滞在してボランティアを続けている若者たちや、週末を利用してボランティアをしてる人もたくさんいらっしゃいます。情緒ある人吉の街中も本当に寂しいものです。〈青井阿蘇神社〉の赤い欄干も壊れたままです。この日は七五三のお祓いをされるご家族が何組かいらっしゃいました。歯を食いしばって再建に向けて頑張ってらっしゃる人吉温泉女将の会“さくら”の皆さんも顔を出してくださいました。なんとか大丈夫だった温泉は何カ所か開いていて、僕も3カ所を尋ね、相変わらずのいいお湯で心と体を温めてもらいました。
八代へ向かう球磨川沿いの道はまだ通行を制限されていて、途中の建物や川に沿って走っていた〈くま川鉄道〉の線路などは崩れたままで、復旧がいつになるのか気が遠くなりそうでした。壊れたままの駅舎、木木に引っかかった瓦礫、何本も流された橋の橋脚も川の中にそのままで、ほとんど手付かずの状態です。美しい山々や透き通ったエメラルドグリーンと言われるほどの清流が悲しみを深くさせます。球磨村の神瀬地区では運動会とお祭りが開かれていました。災害がはじめての大きなイベントだそうで、皆さんの心意気と笑顔が飛び交っていました。渡地区の総合運動公園には仮設住宅が作られ、すでに入居されていましたが、新たに建てる土地がないために、球磨村の被災され住む家のない方の半数近くが、村外の遠く離れた仮の住まいで生活をすることになるかもしれないと不安を話されていました。お年寄りの施設が閉鎖されたため、入居されていた方もあちこちに移され、ご家族の方も大変です。そんな中でも前向きに頑張っている方々もたくさんいらっしゃいます。本当に少しづつですが前に向かって歩いていらっしゃるようです。どうか忘れないでください。ただ、今回の水害で、ダムの必要性を唱える方の声が出てきて、またしばらくはそのことで、皆さんが将来の故郷づくりを真剣に冷静に考えなければいけない大きな問題を抱えることとなりました。
一方、熊本地震からは4年半が過ぎました。豊肥線も国道57号線も開通し、新阿蘇大橋の橋脚がつながり、来年3月に完成の予定です。僕のお気に入りの〈地獄温泉〉は日帰りの“すずめの湯”が始まり、『宿泊も離れで3組はできるようになりました。go to travel も利用できますのでぜひおいで下さい!』と河津さんが話され、全館開業に向けて頑張ってらっしゃいました。阿蘇の山々も優しく見守っています。一歩一歩前に進んでいるようです。僕もできる事はほんのささやかですが、頑張ってる皆さんの小さな後押しができたらと思います。『球磨のしぶきに泣きながら……… 霧が湧く故郷よ… 』(火の国旅情より)