【 寿司屋でライブ❗】 〜 いい響きだね〜 〜
滋賀県野洲。“やす”と読みます。”のす” ではありません! (田舎では小さい頃よく“シンノス”とか言って囃しておりましたが…ハハハ…わかる方には失礼!)。琵琶湖の東側から琵琶湖に流れ込む野洲川のせり出した三角州の街です。その昔野洲川は二本流れていて、そのうちの一本は今の琵琶湖大橋の東側に流れ込んでいました。近江富士と呼ばれ大ムカデ伝説で知られる三上山。古墳群があり、日本最大の銅鐸もここから出ました。昨年のライブ終了後は皆さんと〈御上神社〉を訪ね、今年は〈銅鐸博物館〉を訪れ野洲の歴史を学びました。ここは是非“ブラタモリ”でたずねてもらいたいものです。そういえば日本全国のすべての町が、歴史ある神秘的な個性あふれる街ばかりのはずです。
その野洲で40年近くやっている地元の寿司屋『鮨雅』さん!「海から遠いからなあ。昔は大変だったよ!」とご主人。その奥さんと息子さんが隣で始めた創作料理の店が会場の『ひと蔵』です。地元では知らない人はないほど有名な二つのお店です。新鮮な海鮮丼を食べて、その後ゆっくりライブです。小さなお店のテーブルを取っ払って、ぎっちりと椅子を並べて、病院の待合室のような窮屈ななか行儀よく座って聞いていただきました。春を思わせる穏やかな昼下がり、皆さんにはゆっくりと歌を楽しんでいただきました。今回で6回目です。聞いてくれる人と、スペースさえあれば、どこでもコンサートができるんです。究極の贅沢は、お隣の昔ながらのお寿司屋さんのカウンターに座って、ご主人に美味い寿司を握ってもらい、うまい近江の地酒いただきながら歌を聴くことでしょうか…ハハハハ…。カウンター越しに言葉をかわしながら食事をしたり飲んだりする店が少なくなりました。寿司は黙って回るし、店ではカラオケが途切れない。どこの街を走っても、全国チェーンの看板が同じように立ち並ぶ。街の息吹や色合いが探せない。
真面目にコツコツと頑張っている人が報われない。勢い、真面目にやるのが馬鹿らしく思えてくる。何とか小手先でうまくやってお金を儲けたいと思ってしまう。調子のいい要領のいい奴がうまくやっていくような錯覚を覚えてしまう。でも長い目で見ると最後は人間の〈誠実〉さだ。真面目に真摯に仕事に物事に取り組んだ人が最後に人生の勝利を手にする。いくら才能や能力があっても心がふらついて勢いに甘んじるものは長くは続かない。恋愛も人間関係もこの世の人間が行うすべての営みはそこに集約されると信じている。