【 たまには各駅停車もいいもんだ!】〜 博多〜新大阪 5時間の小さな旅 〜
別に急ぐ旅でもなく、時間に余裕があるときは、新幹線の〈こだま〉に乗ってのんびりと各駅停車の旅もいいものです。新幹線がなかった昔はずいぶん時間がかかりました。もう長距離を走る臭いトイレの急行も、揺れる洗面台のついた情緒ある寝台列車も、いい匂いのする食堂車も無くなってしまった。途中で窓を開けて駅弁売りのおじさんを呼んで、陶器のお茶やネットに入ったみかんを買いました。「アンタ学生さんね〜」「どこまで帰っと〜?」「こんだ〜訪ねておいで〜」そんな会話が普通に交わされていました。スマートになった車内販売も縮小気味です。検札も最小限です。乗ってから降りるまで言葉をかわさなくてもいいのです。ホームにはコンビニと自動販売機が増え、売店のおばちゃんのような味のある人が少なくなりました。鳥栖駅の〈かしわうどん〉が生き残っているのが嬉しいです。
だんだん経費節減で合理的に、機械化された無駄のない社会に変わっていくのでしょうが、《人間味のある、手間や無駄のある、ゆっくりと風景を眺め、人と言葉を交わしながら、時に回り道する余裕のある情緒を感じる時間》も悪くない。AIには、まだわからんだろう。〈のぞみ〉や〈ひかり〉や〈さくら〉に追い越されるたびに、ちょっと優越感を感じる各駅停車の小さな旅でした。
今日は3月6日は、春を感じる暖かい陽気に、京都木屋町高瀬川沿いの[わからんや]で気持ちの良いマンスリーライブでした。