2022年1月27日木曜日

【 あゝ 美しきふるさとよ!】〜 これが進歩ということか… 〜

【 あゝ 美しきふるさとよ!】〜 これが進歩ということか… 〜
{ 和歌の浦に 潮満ちくれば 潟をなみ 葦辺をさして 鶴鳴きわたる }
【万葉集】の代表歌人[山部赤人]が万葉の聖地と言われる絶景の“和歌浦”をが読んだ句です。
今から30年ほど前、僕がWBS和歌山放送の土曜のラジオワイド番組を任されていたときのことです。(お相手は京都で有名なパーソナリティー[久米村直子]さん。ディレクターは後に大阪繁昌亭の初代支配人となり、現在はアドバイザーの [恩田雅和]さん)和歌浦に、交通渋滞を緩和するためにバイパスとして埋め立て架橋の話が1988年に持ち上がりました。景観が台無しになると反対運動があり裁判にもなりましたが、結局原告は敗訴し91年3月に橋は完成しました。[坂本龍馬]が滞在したこともあり、〈崖の上のポニョ〉のロケ地でも有名になった風光明媚な広島の[鞆の浦]にも同じような問題が続いています。結局最後は情緒的なことでは止められない。日常生活に支障をきたし、事故や災害で命の危険をもたらす… と言うことで利便性、経済性が優先されることになる。2年前に起こった熊本の球磨川の氾濫でまたダム建設の話が浮上してきた。【命を守る】と言われると誰もが否定できない。しかし、ダム建設が最良の方法かと言うのはまた別の問題です。東日本大震災の津波から守るための防潮堤やかさ上げも同じような難しさを孕んでいる。荒尾の堤防は場所によって今30センチほどかさ上げされ、歩く目線からは海が見えなくなった。何故かわからないが、とりあえずの処置だと思いたい。自然災害の多発で1792年の『島原大変 肥後迷惑』を思い起こしたのだろうか… ? 
話は戻りますが、番組の中で釣り情報を担当して頂いた〈全関西磯釣連盟〉の[四間一哉]さんがこの問題を強く憂慮され、僕に思いを託されました。それをもとにできた詞が…
「美しきふるさと]の元歌[万葉の国]です。
そのような背景を思いながら、この2曲を聴き比べてみてください。歌の中に込められている気持ちは全く同じです。
◎そしてまた不思議なご縁を感じるのは、今第二の故郷として住み着いている滋賀県の琵琶湖のほとり。我が家の窓から目の前にぽっかりと浮かぶ沖島。ここには[柿本人麻呂]の詠んだこのような万葉の歌があります。{ 淡海の海 沖つ島 山奥まけて わが思うが妹が 言の繁けく}このお話は滋賀県に住む万葉画家[鈴木靖将]さん(大分竹田の「竹田 竹楽 恋あかり」を作詞していただいた方)のご紹介で、沖島にも伺い、2019年10月27日この歌碑が沖島と万葉集を愛する多くの人のご努力で建立されました。今度は2人で沖島の歌を作りましょう!と画策しているところです。ハハハハ…

万葉の国(1993)  関島秀樹
 作 詞   四間一哉
 補作詞   関島秀樹
 作 曲 関島秀樹
 編 曲 土井 淳