長距離電話
1981年 ファーストアルバム『風のアルペジオ』に収録された1曲です。あの頃の一人暮らしのアパートの部屋には、お風呂も電話もテレビもありませんでした。靴を脱いで上がり廊下の両側に部屋がありトイレは共同と言うのが主流だったと思います。だから「神田川」のように銭湯に通ったものです。洗面器と石鹸とタオルは必需品でした。コンビニもないし、長い夜は何をしてたんだろうなぁ~。時間だけはたっぷりあったなぁ。本はよく読んだよね。手紙も書いた。日記をつける奴もいたなぁ。好きなやつといつも話ができないから、寒い夜なんか100円玉をかき集めて[公衆電話]に行ったよなぁ。赤や青いやつは10円玉しか使えないから、黄色い電話機を探したよ。あわ~い灯りの下で、それでもガチャン…ガチャンって100円玉が落ちていって、あーあ、あと3枚だ…2枚だ……後6分だ…3分だ…なんて考えながら最後の言葉を探してたよなぁ~。いつもいつも会えなくても、そんなにしょっちゅう話せなくても、限られた時間の中で心を確かめ、探り合っていたよね。人間、全て満たされない方が…何か足りないものがある方が前向きだし、努力しようとするし、我慢も覚えて、心は豊かだったような気がするなあ~
♪長距離電話